家全体の網戸を張り替えるとなると、業者に依頼した場合にはかなりの出費を覚悟しなければなりません。一枚あたり三千円から五千円程度が相場ですが、家中に十枚の網戸があればそれだけで数万円の出費となります。これを自分で行えば材料費は一枚あたり数百円から千円程度に抑えることができるため、節約効果は極めて大きいと言えます。しかし、安易に挑戦して失敗し、結局網を無駄にしてしまう例も少なくありません。プロのアドバイザーとして自分で行う際に特に注意すべきポイントをいくつか挙げたいと思います。まず最も多い失敗は網押さえゴムのサイズ違いです。ゴムの太さは二ミリ単位で細かく分かれており、一見同じに見えても少しでも細ければ網がすぐに外れ、太すぎれば溝に入りません。次に気をつけるべきは張り替え作業を行う場所の確保です。網戸の枠を寝かせて作業するため、大きな掃き出し窓用の網戸を扱うには相応の広さの床面が必要です。屋外のコンクリートの上などで作業をすると網戸の枠に傷がついたり、新しい網が汚れたりするため、ブルーシートを敷くか、畳や絨毯の上で作業するのが理想的です。また、網を張る際の力加減も重要です。初心者の方はピンと張らなければと力みすぎる傾向がありますが、あまりに強く網を引っ張るとサッシのアルミ枠が中央に向かって弓なりに歪んでしまう糸巻き現象が起きてしまいます。これによりサッシが閉まらなくなったり隙間ができたりするため、網はあくまで平らに置く意識で、ゴムを押し込む力だけで固定していくのが正解です。さらに張り替えのタイミングも見逃せません。網の耐用年数は直射日光の当たり具合にもよりますが一般的には五年から十年程度とされています。指で押した時に簡単に裂けたり表面が粉っぽくなっていたりする場合は、すでに寿命を超えています。こうした劣化が進んだ状態で放置すると網の破片が室内に舞い込み、アレルギーの原因になることもあります。自分で張り替えができるようになれば、こうした劣化に気づいた瞬間にすぐ対応できる機動力が手に入ります。道具を一度揃えてしまえば一生使える技術となりますので、ぜひこの機会に正しい知識を身につけ、家計に優しくそして健康的な住環境を維持する術を手に入れてください。また余った網は小さな補修用に保管しておくと、不意の破れにもすぐ対応できて非常に便利です。
網戸の張り替えを自分でする際に役立つ道具と注意点