かつてレンジフードは、キッチンの隅で黙々と煙を吸う、縁の下の力持ちのような存在でした。その選択基準は、もっぱら換気能力や価格といった、機能的な側面に限られていたと言えるでしょう。しかし、リビングと一体化したオープンキッチンが主流となった現代において、レンジフードは単なる換気設備ではなく、空間全体の印象を大きく左右する「インテリアの主役」としての役割を担うようになっています。機能性はもちろんのこと、デザイン性にもこだわって一台を選ぶことで、あなたのキッチンはもっとおしゃれで、もっと愛着の湧く場所に変わります。現在のレンジフードのデザインは、驚くほど多様化しています。その中でも、最も人気を集めているのが、凹凸の少ないミニマルなデザインが魅力の「スリム型」です。その薄くシャープなフォルムは、どんなスタイルのキッチンにもすっきりと溶け込み、洗練されたモダンな空間を演出します。カラーバリエーションも豊富で、定番のシルバーやホワイトに加え、近年ではマットな質感のブラックやグレーも登場し、キッチンのキャビネットや家電の色とコーディネートする楽しみが広がっています。特に、壁付けキッチンの場合、スリム型のレンジフードは圧迫感が少なく、空間を広く見せる効果も期待できます。一方、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンで、圧倒的な存在感を放つのが「センターフード」や「サイドフード」と呼ばれるタイプです。天井から吊り下げられたり、壁から伸びたりするその姿は、まるでモダンアートのオブジェのよう。ステンレスの輝きを活かしたスタイリッシュなデザインや、円筒形やキューブ型といった個性的なフォルムのものは、LDK空間全体のデザインの核となります。料理をする人の手元を照らす照明も、デザインの一部として美しく組み込まれており、機能と美が見事に融合しています。さらに、徹底的に存在感を消し、空間に溶け込ませたいというニーズに応えるモデルも登場しています。コンロを使用する時だけ、カウンターの下から上昇してくる「ダウンラフト型」や、IHクッキングヒーターに換気機能を内蔵したタイプなど、これまでのレンジフードの常識を覆すような革新的な製品です。これらは、視界を遮るものが何もなく、ミニマルで開放的なキッチンを追求する方に最適です。