「リフォーム」と「リノベーション」。この二つの住まいづくりのアプローチは、その目的や動機だけでなく、実際の工事における規模、期間、そして費用という、非常に現実的な側面においても大きな違いがあります。自分の計画がどちらに当てはまるのかを把握することは、具体的な資金計画やスケジュールを立てる上で不可欠です。それぞれのスケール感を理解し、現実的なプランニングを進めましょう。まず、「リフォーム」の工事規模は、比較的小さな範囲に限定されることが一般的です。例えば、トイレや洗面台といった設備機器の交換、六畳間の壁紙の張り替え、フローリングの部分的な補修など、いわゆる「部分リフォーム」がその代表例です。工事は特定の部屋や箇所に集中し、住みながらでも行えるケースが多くあります。工事期間もそれに伴い短く、数時間で終わる簡単なものから、ユニットバスの交換のような少し大掛かりなものでも数日から一週間程度、キッチン全体のリフォームでも二週間程度で完了することがほとんどです。費用に関しても、その規模に応じて数万円から数十万円、キッチンや浴室全体を一新するような場合でも100万円から200万円程度が一般的な相場となります。次に、「リノベーション」は、その性質上、工事規模が格段に大きくなります。間取りの変更を伴う場合、まず既存の間仕切り壁を解体し、床や天井も一度剥がして下地から作り直す必要があります。建物の構造躯体(骨組み)だけを残してすべてを刷新する「スケルトンリノベーション」ともなれば、その規模は新築工事に匹敵します。このような大規模な工事では、住みながらの施工は不可能であり、工事期間中は仮住まいへの引っ越しが必須となります。工事期間は、設計期間を含めると半年から一年以上かかることも珍しくありません。実際の工事期間だけでも、マンションの全面リノベーションで二ヶ月から四ヶ月、戸建ての場合は耐震補強や外装工事も含むと半年以上を要することもあります。費用も、その規模とこだわりに比例して大きく膨らみます。マンションの全面リノベーションであれば500万円から1500万円以上、戸建ての場合は1000万円から2000万円以上かかることも一般的です。耐震補強や断熱改修といった性能向上のための工事や、造作家具、自然素材の採用など、こだわりが深まるほど費用は上昇します。