家づくりやリフォームを考えるとき、私たちはつい、部屋の数や広さといった、平面的なスペックに目を向けがちです。しかし、住まいの心地よさや豊かさは、必ずしも面積の広さだけで決まるものではありません。天井を見上げ、空間を三次元的に捉えたときに生まれる「縦の広がり」、その象徴ともいえるのがロフトの存在です。ロフトがある暮らしは、単に収納スペースが増える、寝る場所が一つ増えるといった、機能的なメリット以上に、私たちの心に豊かさをもたらしてくれます。ロフトが持つ最大の魅力は、その「隠れ家」のような特性にあるのではないでしょうか。リビングやダイニングといったパブリックな空間から、はしごや階段を数段上がるだけで到達できる、少しだけ隔絶されたプライベートな空間。天井が低く、身体を包み込むようなスケール感は、不思議な安心感と落ち着きを与えてくれます。子供の頃に感じた、押入れや屋根裏部屋でのワクワクするような高揚感を、大人になってもう一度味わうことができる場所。それがロフトなのです。この特別な空間は、私たちの創造性を刺激します。ロフトに座って階下のリビングを見下ろすと、いつもの見慣れた風景が、少し違った新鮮なものに見えてきます。視点が変わることで、気持ちも切り替わり、新しいアイデアや発想が生まれやすくなるのかもしれません。書斎として使えば、日常から切り離された環境が集中力を高めてくれますし、アトリエとして使えば、誰にも邪魔されずに創作活動に没頭することができます。また、ロフトは家族のコミュニケーションに、新しい形をもたらしてくれることもあります。吹き抜けを通して階下と繋がったロフトは、家族がそれぞれ別のことをしていても、互いの気配を緩やかに感じさせてくれます。完全に孤立するのではなく、程よい距離感を保ちながら、同じ家の中にいるという一体感を共有できる。この「繋がっている安心感」は、現代の家族にとって、非常に価値のあるものと言えるでしょう。ロフトは、建築基準法上では「小屋裏物置等」と定義される、あくまで補助的なスペースかもしれません。しかし、その小さな空間が私たちの暮らしに与えてくれる影響は、決して小さくありません。
ロフトがある暮らしがもたらす心の豊かさ