地震後の壁ひび割れ見分け方と初期対応
地震の後、室内の壁にひび割れを見つけると不安になるものです。壁のひび割れには様々な種類があり、地震によるものかどうか、またその危険度を見極めることが重要です。地震によるひび割れは、建物の揺れや変形によって発生し、特に家の角の部分や窓の周り、扉などの開口部に斜め方向に入ることが多いと言われています。 まず、ひび割れの状況を把握するために、以下の点を確認しましょう。ひび割れの大きさ、形状、位置、数などを確認し、写真や動画で記録しておくことが大切です。定規などを当ててひび割れの幅を測ったり、ペンなどでひび割れの位置をマークしたりすると、より正確な情報として記録できます。また、地震発生時の揺れの状況や日時も記録しておくと、後の対応に役立ちます。 幅0.3mm未満の細いひび割れは「ヘアークラック」と呼ばれ、軽微なひび割れであり、直ちに補修が必要な緊急性は低いですが、定期的な観察が推奨されます。しかし、幅0.3mm以上のひび割れや、深さが5mm以上あるひび割れは「構造クラック」と呼ばれる危険性の高いひび割れの可能性があり、早急な点検と補修が必要です。特に、ひび割れが壁だけでなく天井、床、基礎にも続いている場合や、同じ位置に繰り返し発生・拡大する場合は注意が必要です。 地震後の壁のひび割れは、表面的なものだけでなく、建物の構造体に影響を及ぼしている可能性もあるため、自己判断せずに専門業者に相談し、適切な診断を受けることが重要です。