地震の後、室内の壁にできた小さなひび割れであれば、「自分で補修できないだろうか」と考える方もいるでしょう。軽微なひび割れであればDIYでの補修も可能ですが、その危険度を見極め、適切な方法を選択することが重要です。 幅0.3mm以下の細い「ヘアークラック」と呼ばれるひび割れや、表面的な壁紙の亀裂であれば、自分で補修できるケースが多いです。壁紙の浮いている箇所には糊を使って貼り付けたり、ひび割れにコーキング剤を埋めるように塗ったりする方法があります。コーキング剤を塗った後は、乾かないうちにヘラで表面をならし、余分なコーキング剤は濡れた雑巾で拭き取ることが大切です。壁紙にコーキング剤が付いたままだと変色する可能性があるため注意しましょう。 しかし、幅0.3mmを超えるひび割れや、深さが5mm以上のひび割れは、DIYでの補修は推奨されません。また、ひび割れが斜めに走っている場合や、壁だけでなく天井、床、基礎にも続いている場合、同じ位置に再発・延伸している場合などは、構造的な問題が潜んでいる可能性が高いため、専門業者による点検と補修が必要です。特に、地震による揺れで下地材までひびが入っている場合や、壁の構造部分に損傷がある場合は、専門家による詳細な診断を受けることが重要です。 自分で補修できる範囲を見極め、無理だと感じたらすぐにプロに相談することが、住まいを守る上で賢明な判断と言えるでしょう。専門業者は、ひび割れの状況を調査し、適切な補修方法を提案してくれます。